8・11シンポ報告②(夢工房と芦屋市)

 芦屋市は、夢工房不正事件について、当初、不正は「疑惑」であるとして、浜風跡認定こども園工事続行の立場であり、不正事実を詳細に記述した監督官庁の兵庫県社会福祉課資料を使わず、新聞切り抜きを使用するなど、腰の引けた対応であった。シンポでは、夢工房と芦屋市の関係が、10年前に遡り検証された。当時、浜風小学校内と山手幼稚園跡の保育園誘致(山手夢保育園)において、夢工房が、園舎も法人独自に負担をし補助金を大きく上回り金額を提示、保育士確保などプレゼンで地元民間保育園を圧倒した。パネラーの増田百代さんは、当時、夢工房が他市における公立保育所から民営化の受け皿となっており、表面的なプレゼンで芦屋の保育に切り込み、行政もこれに安易に受け入れたと発言。その後の事実は、八木さん、船曳さんが、夢工房を財政分析したとおり、人件費比率が異常に低く、利益率は異常に高いことが明らかになった。

 芦屋市は、新制度移行、もっとも安上がりの(市4分の1負担)民間幼保連携型認定こども園に突っ走る。幼保連携型認定こども園は、幼稚園組と保育所組を同じクラス編成にすると明石市で大混乱が起きたように運営できない。そこで、別クラス編成にすれば、自ずと200人~250人定員にならざるを得ない。このような大規模こども園に手を上げられるのは、全国展開する企業化した社会福祉法人しかない。そこで、芦屋では、夢工房と芦屋市が阿吽の呼吸で、すなわち、芦屋市は安上がりの保育ができる、夢工房は広大な保育用地(浜風跡3000㎡、南芦屋浜3500㎡)を市有地から無償で借りられ、次の事業展開のため蓄積できる。このような蜜月関係が続いたことが3名のパネラーから語られた。

 会場から西宮市の関係者から発言があり、同市では、管財課職員が保育用地を求め、地域ごとに北部では国家公務員官舎跡地、中部では市営住宅地跡地、南部では交通公園の一部を確保し、民間保育所誘致をする計画が述べられた。芦屋市の場合、民間保育所進出は、法人任せであり、民間保育所計画がとん挫していること、余りにも、大規模認定こども園一筋が異常であることが露わになった。

 芦屋市は、大規模認定こども園化を改めること、地域に合致した民間保育所誘致、公立幼稚園の活用など路線転換すべきである。どうしても、大規模認定こども園誘致するなら、その審査にあたっては、法人の資金力に目を奪われるのでなく、保育士等の人件費の占める割合は適正か、利益率が高く、次の保育施設建設の踏み台にしていないか?保護者会との関係はどうか?労働組合があるか、ない場合は不利益処分など救済制度があるのか?等々の多角的審査が必要であろう。続く

芦屋幼保市民の会(旧:より良い保育芦屋)

2017年9月23日、「よりよい保育・幼児教育を考える芦屋市民の会」の集会において、芦屋市の幼稚園・保育所組織統合問題の話し合いの中で、自治会長、保育園長、大学教授等、皆様より新たな活動の場を拡げるべきとの意見があり、これに相応しい会の名称を「よりよい保育・幼児教育を考える芦屋市民の会」から「芦屋幼保市民の会」に名称変更いたします。

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