神戸新聞2016年10月9日付を紹介します。
公園に民間保育所 待機児童対策で開設へ 西宮市
国家戦略特区の制度を活用し、認可保育所が整備される交通公園=西宮市久保町
待機児童問題が深刻化する中、兵庫県西宮市は市内の公園に民間の認可保育所を誘致する方針を固めた。通常、公園内は設置物が規制されるが、国家戦略特区の制度を使って保育所を建設する。同特区の活用は兵庫県内で初めて。事業者を選定し、2018年春の開設を目指す。(斉藤絵美)
誘致が予定されているのは、西宮市久保町の久保公園(通称・交通公園)。約7千平方メートルの敷地の一角にある「交通館」(2階建て鉄筋コンクリート造り)を解体するなどし、約600平方メートルを保育所用地として活用する。
交通公園は1969年に整備され、本物そっくりの信号機や道路標識などがあるが、交通館は約20年前から閉鎖されている。
保育所は定員60人規模を予定。原則10年間の設置で以降は随時更新し、必要性がなくなれば公園に戻す。設置や運営は民間が担い、公園の占用料金については今後検討する。
同市は8月下旬、周辺住民向けの説明会を開催。市内で民間保育所を運営する法人を対象に事業者を公募したところ、複数の申し込みがあった。10月末までに選定し、決まれば内閣府に特区の活用を申請する。
公園での保育所設置は国の規制緩和策として、昨年9月に施行された改正国家戦略特別区域法で認められた。公園は、電柱や災害時に被災者を収容する施設などを除き、原則建築物が制限されているが、特区として認定されれば、保育所を含む社会福祉施設の整備が可能になる。
内閣府によると、同様の手法で公園内に保育所や認定こども園を設置するのは、関西圏では大阪府豊中市(2件)に続き、兵庫県内では初めてという。
西宮市では今年4月現在の待機児童は183人で、昨年同期より107人増えた。特定の保育施設を希望している場合などの「潜在的な待機児童」を含めると636人となり、交通公園周辺でも46人に上る。
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