2017年2月10日
社会福祉法人夢工房
理事長 滝澤 功治 様
よりよい保育・幼児教育を考える芦屋市民の会
代表世話人 佐藤 うめ子
保育士等労働条件、保育内容の改善にかかる申し入れ書
前理事長らに対する不正事件等、正常化のため日々ご努力されていることに敬意を表します。ご存じのように、私たちは、これまで、市内に法人本部を設置し、三つの保育園を経営する貴法人に対して、子どもを守る立場から不正事件を正す取り組みを行ってきました。
私たちは、新理事会に対して、第一に、これまで明らかになっている不正に加え、第三者委員会報告が「氷山の一角」と指摘していることから引き続き調査を継続し、これに基づき、刑事告訴、損害賠償請求に取り組んで下さい。第二に、不正により犠牲となっていた保育士等職員の労働条件、保育内容の改善などに着手されることを期待しています。今回、監督官庁の兵庫県に対して2月末までに改善案を提出することが兵庫県議会で確認されていますが、下記事項についても措置されるよう申し入れます。
1、上位下達の「企業」風土を改め、自由闊達な職場に改めること
第三者委員会報告(以下報告)では、「常に精神的・経済的な抑圧をうけ、また個の人権まで侵害されてきた保育士・職員の自尊感情を回復しさらに高めることが先決であろう」、「職員が意見をだしやすい雰囲気をつくり」(P73)と指摘しています。後述する労働条件や保育内容の改善についても、現場から率直な意見抜きには、改革されないと思います。具体的には、旧理事会の下で実施されたアンケート内容を現場に返し、現場での討議を経て、職員、法人本部一体となって改善策を検討されるよう申し入れます。加えて、保護者、地域住民と共に歩む法人に期待します。
2、労働基準法等法令遵守の職場にすること
報告では、「残業をせざるを得ない状況でも残業代が支払われない」、「体調不良の有休はいったん出勤しなくては休めない」(P68)また、「転職会議」(webでの企業評価)では、「夢サポーター」なる組織がボランテイアの名目で保育士を日常の業務に従事させていることが指摘されています。これらは労働基準法に抵触するものであり、現場の実態を調査し、法令を遵守するよう改めるとともに未払いの残業代を支払ってください。
また、サービス残業をなくすため、定刻に退勤を打刻することを禁止し、実際の退勤時に打刻するよう労働時間管理システムを改めてください。
3、残業を前提とした人員配置を改め、保育士を増員すること
既述した「残業をせざるを得ない状況と」とは、業務の見直しもあると考えますが、保育士の絶対数が不足しているのではないでしょうか。この問題は、保育士の健康維持だけでなく、保育士がゆとりをもって子どもに接する保育内容の充実にも繋がることと考えます。
これまでの法人の決算状況からみると、人件費は、民間保育所の平均的な水準を著しく下回っています。現場職員の給与を大幅に引き上げるとともに、大幅な増員(少なくとも10%以上)を行ってください。また、事務員、清掃員を配置し、保育士の保育業務以外の事務や作業の負担軽減を図ってください。
4、保育内容及び保育関連費について
①報告では、「新設園を開設するにあたり、絵本はブックオフで中古」、「おもちゃも百円均一店で調達」、「保育が切り詰められている状況が現実にありそうである」(P69)、横浜市内の保育園で「鉄分の給与量が食事摂取の推定平均必要量を下回っていた」(P69)と指摘しています。また、昨年末、TV各局から不正事件に関わり、「試供品と思われる離乳食パックを給食に混入」(保育士証言)、「若い保育士が多く、離職率が高い」(保護者証言)等保育内容に関する報道がなされています。これらの事実調査と改善策を明かにして下さい。
経験の少ない保育士が多いことから、保育の質の向上のためには研修の充実が求められます。保育経験が豊富な公立保育所園長などを講師に、時間内に法人としての研修を実施するようにしてください。
②報告では、「理事長は、学研教材費として保護者から現金で教材費を集め、理事長名義の個人口座に入れ、私的に流用」(P60)とあります。この際、保護者から徴収した保育費以外の遠足代等の実費、保育の質を高める上乗せ費(芦屋市等自治体の同意が必要)の全項目と根拠を明かにしてください。
以上
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