芦屋市立幼稚園、保育所再編(声明)

2017.2.13

芦屋市立幼稚園、保育所の幼保連携型認定こども園への

             集約化と保育所民営化に対する声明

                よりよい保育・幼児教育を考える芦屋市民の会

                           世話人代表 佐藤 うめ子

 本日、2月13日芦屋市当局は、標記に関して、次の内容を発表した。

 ①市立幼稚園8カ所の内、朝日が丘幼稚園を廃園し、岩園幼稚園へ統合する。精道、伊勢、宮川幼稚園を廃園し、保育所と統合し2カ所の市立幼保連携型認定こども園に集約する。これにより市立幼稚園は、8カ所から4カ所(西山、岩園、小槌、潮見)となる。

 ②市立保育所6カ所の内、2カ所(大東、打出)を民営化する。さらに2カ所(精道、新浜)は、幼稚園と統合し、2カ所の市立幼保連携型認定こども園に集約する。これにより、市立保育所は6カ所から2カ所(岩園、みどり)となる。

 ③待機児童は、上記の組織見直しで大幅に解消される。

④実施時期は2019年~2021年。今後、子ども子育て会議、保護者説明会、集会所説明会等を行い市民の理解を得る。

切実な待機児童解消策なし!国の公共施設統廃合方針優先!

 組織見直しにより待機児童が大幅に解消されるとするが、唯一、量的拡大は、既に決定済の南芦屋浜の幼保連携型認定こども園に加えて、今回、ハートフル福祉公社(市有地)を活用した認可保育所と市役所分庁舎内小規模保育事業だけであり、統合による大型幼保連携型認定こども園が受け皿になるのか、否か疑問が多い。むしろ、全体としてスクラップである。これは、昨年、総務省が公共施設の統廃合に対して、地方債発行、地方交付税措置の財政上の優遇策に便乗したものである。今回の問題点は、第一に、既に、芦屋浜、南芦屋浜における民間幼保連携型認定こども園(2018.4)の大規模化(定数約200人)によって、発達保障や小学校の連携への不安が出されているが、今回集約される市立幼保連携型認定こども園についても、定員は200~300名であり、園庭の狭さ、保育園児と幼稚園園児の混在による保育、幼児教育はどのようになるのか、車通園、小学校区との希薄さなど問題点が多い。第二に、市立保育所2カ所(大東、打出)を民間へ投げ出していることである。数年前、公立保育所の運営費の国補助金が廃止されたものの「国庫補助金の一般財源化による影響が生じないように、適切な地方財政措置を講じている」(参議院総務委員会/総務大臣答弁2015.3.22)あるとおり、民営化せずとも、芦屋市財政に大きな負担が生じることではない。しかも、前述した市立保育所2カ所が市立幼保連携型認定こども園へ集約され、加えて2カ所の市立保育所が民営化されれば、公立保育所は市内で2カ所(岩園、みどり)だけとなる。夢工房問題が示しているとおり、保育分野へ株式会社の参入が認められ、社会福祉法人といえども企業化が進む今日、公立保育所の民間認可保育所に対する指導的役割は増している。市立保育所が2園のみでは、これまで集団で培ってきた保育の質が弱まり、芦屋市全体の保育内容が低下する危険性がある。

待機児童解消への提案

幼稚園 

1、幼保連携型認定こども園に集約する前に3歳児保育、預かり保育時間延長すること

   標記を実施すれば、待機児童解消に役立つことは明らかである。これまで、芦屋市は、3歳児保育が私立幼稚園経営を圧迫することを理由に拒絶してきた。しかし、今回、3歳児から入園できる市立幼保連携型認定こども園を創設することから、この根拠は市が自ら崩している。なお、大津市では、本年度から公立幼稚園での3才児保育が開始される情報もある。芦屋市でも出来ないことはない。   

   民有地、公共用地を活用等利用し易いところに認可保育所を多数設置すること

  待機児童対策として、小規模保育事業があるが、保育面積が認可保育所より狭いなど保育環境が劣っている。さらに、3歳児以降の行く先が不透明である。自宅や駅近かで、利用者に便利な認可保育所の誘致が求められている。具体的には、第一に、財政的に国の補助金制度のある「民有地マッチング事業」を活用し、0~5歳児の認可保育所を誘致のため、市が土地所有者と保育事業者と斡旋する事業へ空き家対策とも結合し挑戦すべきである。なお、西宮市では7カ所(510人)をめざしている。東京都は、今年度から保育用地貸与の地主に対する固定資産税を全額減免制度が始まる。第二に、西宮市が国家公務員宿舎跡を取得し、民間認可保育所誘致を進めているが、芦屋市においても、市一丸となり公共用地を探し、認可保育所を誘致し、待機児童解消に真正面から取り組むべきである。

さいごに

  これまで芦屋市の保育、幼児行政は、行き当たり的と言わざるを得ない。市立浜風幼稚園を市民の反対の声を押し切り廃園にし、跡地の幼保連携型認定こども園については、市の審査ミスで夢工房を選択し1年間の空白を生じさせた。さらに、当時、せめて市立にして欲しいとの願いも頑なに拒否したが、今回の組織見直しでは、市立を提案している。さらに、昨年、幼稚園にかかる組織見直しについて、学校教育審議会で慎重に審議されたが、今回の組織見直しに反映しているとは思えない。これらを振り返るならば、今回の組織見直しについては、市民、関係市職員らと真摯な話し合い、受け入れるべき意見は受け入れ、市民と共に待機児童解消、組織見直しに取り組むべきである。「会」は、関係市民、団体と協力し、芦屋の保育、幼児教育のため取り組む決意である。         

芦屋幼保市民の会(旧:より良い保育芦屋)

2017年9月23日、「よりよい保育・幼児教育を考える芦屋市民の会」の集会において、芦屋市の幼稚園・保育所組織統合問題の話し合いの中で、自治会長、保育園長、大学教授等、皆様より新たな活動の場を拡げるべきとの意見があり、これに相応しい会の名称を「よりよい保育・幼児教育を考える芦屋市民の会」から「芦屋幼保市民の会」に名称変更いたします。

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