芦屋市が突然発表した西蔵市住跡への300人規模の市立認定こども園建設計画について、地元の防災士西岡さんが山中市長宛てへの質問、提案を出されました。本人の了解を得て、関係部分を紹介します。なお、5月1日付市広報紙の計画特集号では、西岡さんへの回答が、一切ありません。
2017年度 集会所トーク質問と提案
芦屋市長殿
2017年4月21日 西蔵町自主防災・防犯会 会長
防災士 西岡 喜久男
6.市立幼稚園・保育所のあり方
こども・健康部、教育委員会管理部においては市立幼稚園・保育園の統廃合について説明会を開催されています。西蔵町市営住宅跡地に300人規模の「幼保連携型認定こども園」を建設する案があり、1回目の説明会に参加しました。
参加者から色々問題点の指摘がありましたが、改めて防災・防犯の観点から考えました。
子供の明るい笑顔と声がある町は賑わいのある安全・安心な街で、うるさい・神経に触るという人もいますがある程度は受忍すべきことかも知れません。(注)で災害ゴミ処理について記しましたが、予定地は旧堤防に近い場所であり、国交省国土地理院での標高マップでは1.8mと低地で市発行のハザードマップでも浸水域になっており危険個所であります。津波想定は堀切川・江尻川河口から越流して広がっていきます。私としては東北大震災のような惨劇は想定外ですが、宮川を遡上する津波が臨港線を超えて破堤乃至越流すると挟み撃ちに遭う場所でもあります。
西側の海技大学校は一時避難所に指定されており収容人数720人ですが、そこに学生、教職員に加えて近隣住民と園・幼児300人がひしめき合う姿を想像してみれば阿鼻叫喚としか言えません。では、水平避難は可能か? 津波到達まで111分?あるとは言え、訓練では避難者はノロノロとおしゃべりしながら歩くが、災害時には血走った眼の民衆が津波への恐怖から破壊、流失されたくない財産を抱え、車避難はダメといっても、無視した大型車がスピード上げて走る中を北への少ない道路を殺到する様子を想像してみたい。そんな状態の中恐怖で泣き叫ぶ300人の大群を確実、安全に誘導できるとは絵空事である。幼児はワゴン車で運ぶとの説明であったが歩道を何台ものワゴン車を通行させてくれる余裕が殺気立った民衆にはあるだろうか。幼児20人に一人の保育士とのことであったが非常時に20人の安全確保ができるとは相当ベテラン保育士でも無理ではないだろうか。地方ならお互いに顔見知りでそれなりの絆があり、助け合うこともあろうが自己本位の都会人に共助を期待するには普段から相当の訓練の積み重ねが無いと無理だろう。普段やっていることでも困難なのに、火事場の馬鹿力であるまいし普段やっていない事は不可能です。
敷地内に留まる避難行動では幼稚園の開放的な1階部分の設計自体変更する必要があるし、最低でも屋上のある5階建鉄骨構造、海技大への空中連絡通路、独自の備蓄用品保管も必要であろう。浸水した海水とヘドロの除去対策が万全でないと2次避難所への移動も困難となる。
又、近隣住民からの苦情が出ないように車での保護者の送り迎えは原則禁止。交通規制、常時見守り要員確保、防犯対策、騒音対策が必要。
更に海技大のHPによると東側の学生寮は耐震基準以下なので、今年1月以降閉鎖するとのことで、改修予定未定とある。こども園開園予定時期(平成33年)までに改修工事出来るのか、又工事時期が重なって工事車両が輻輳しないように国・大学校と調整が必要です。
説明会で意見が出ていたが各幼稚園とも充足率が低く空部屋があるのなら、そこに保育所を兼ねて改造する案に賛成する。宮川幼稚園の場合では小学校と隣接しているので幼児、園児、学童との交流を図る場を創ると実践的道徳教育での教育効果が上がるのではないだろうか。交流の場で言えばこども園建設メリットは近くにある高齢者施設との協定で老人と孫・ひ孫世代の交流が可能となることぐらいだけであろうか。
(注)
災害ゴミや津波でのヘドロ処理
西蔵町の旧堤防に隣接する北側地域は津波襲来時、引き波によって取り残された災害ゴミやヘドロの堆積地となります。場合によっては津波火災(支援協定を結んでいる石巻市門脇小学校の遺構はご存知と思います)の危険地域でもあります。市としては旧堤防沿いのこれらの危険性に対する排除処理対策はどのように策定されていますか。
補足質問
この問題を取り上げるに当たって、国土地理院の標高WEB地図で43号線以南の旧堤防沿いの標高を調べたが、市発行のハザードマップや道路にある標識と比較すると各地点とも相当の違いがあります。東京湾平均海面TPと大阪湾最低潮位OPの差1.3mを引いても合致しません。
市(県)の標高基準は何に基づいていますか。
現場百回という言葉がありますが、防災担当職員だけでなく市長始め行政職員、教職員もハザードマップ片手に理論想定が正しいか現場をじっくり足で歩いて確認・認識していただきたい。
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